脱衣室と浴室の寒さ対策|ヒートショックを防ぐ暖房の選び方と工事の費用

「寒いから、お風呂は夕方に入るようにしています」

ご高齢のお客様から、よくそう聞きます。

ただ、寒さそのものが解決していないのは、いつも気になっていました。

冬の入浴で起きる事故は、浴槽の中だけで起きるわけではありません。

服を脱ぐ場所と、体を洗う場所の温度差が、いちばん体に負担をかけます。

私も最初は「浴室に手すりを付ければ安心」と思っていました。
今回は、脱衣室と浴室の寒さ対策について、方法ごとの費用と工事の中身をまとめます。

何が体に起きているのか

暖かい居間から、寒い脱衣室へ。服を脱ぐと、体は一気に冷えます。

冷えると血管が縮んで、血圧が上がる。そこから熱いお湯に入ると、今度は血管が広がって血圧が下がる。

この上がって、下がるの落差が体に負担をかけます。

浴室で起きる事故のうち、転倒だけでなく、この温度差が関わっているものが少なくありません。

だから対策は、浴室より先に脱衣室から考えたほうがいいと思っています。

方法ごとの費用と工事

方法費用の目安工事
置き型の電気ヒーター5千円〜2万円不要(コンセントのみ)
壁掛けの電気ヒーター3万〜8万円半日。専用回路が要ることも
浴室暖房乾燥機(電気・後付け)10万〜20万円半日〜1日。分電盤の空きを確認
脱衣室の内窓4万〜8万円30分〜1時間
浴室の床シート5万〜8万円1日

いきなり全部やる必要はありません。置き型を試して、足りなければ次へという順で十分です。

置き型ヒーターで気をつけること

いちばん手軽ですが、注意点があります。

  • タコ足配線にしない…消費電力が大きい機器です。単独のコンセントに
  • 脱いだ服やタオルを近づけない…吹き出し口の前は空けておく
  • 足元に置くなら、転倒に注意…コードが動線を横切らない場所に
  • 入る10分前に付ける…入る瞬間だけ付けても間に合いません

この10分前が意外と抜けます。人感センサー付きにするか、スイッチを居間から押せる位置にすると続きます。

浴室暖房乾燥機は「後付けできるか」で決まる

効果は大きいのですが、どの家にも付くわけではありません。

次の3点を先に見ます。

  1. 天井に点検口があるか…配線を通せるかどうかが、ここで決まります
  2. 分電盤に空きがあるか…200Vタイプは専用回路が必要です
  3. 換気扇の開口寸法…既存の換気扇と入れ替える形が多く、寸法が合わないと開口を広げる工事が加わります

在来浴室(タイル貼り)の場合は、天井の材質によって取り付け方が変わります。見積の前に、天井を見せてもらうのが確実です。

窓からの冷気は、思ったより大きい

脱衣室や浴室に、小さい窓が付いている家は多いです。

そこが1枚ガラスのアルミサッシだと、暖房を付けても足元がずっと寒いままになります。

脱衣室の小窓なら、内窓は4万〜8万円、工事は1時間かからないことが多いです。

ヒーターを1つ足すより、こちらのほうが効く家もあります。

浴室の窓も同じですが、湿気がこもりやすい場所なので換気とセットで考えてください。窓を閉め切ると、今度はカビの話になります。

介護保険が使えるところ、使えないところ

ここはよく聞かれます。

住宅改修の対象になるのは、手すりの取り付け、段差の解消、床材の変更、扉の取り替えなど、体を支える工事です。

暖房機の設置そのものは対象外になります。

ただ、同じ工事の中で浴室の床を滑りにくいものに替える、入口の段差をなくすといった部分は対象になることがあります。

寒さ対策と一緒に相談すると、まとめて工事ができて手間が少なくて済みます。詳しくはケアマネジャーにご確認ください。

今日のまとめ

  • 負担になるのは脱衣室と浴室の温度差。まず脱衣室から
  • 置き型5千円〜2万円/壁掛け3万〜8万円/浴室暖房乾燥機10万〜20万円が目安
  • 置き型は単独コンセント・入る10分前
  • 浴室暖房乾燥機は点検口・分電盤の空き・開口寸法で可否が決まる
  • 小窓の内窓は4万〜8万円。暖房より効く家もある

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まずは今夜、脱衣室の温度計を見てから服を脱いでみませんか。居間との差が数字で出ると、話が早いです。

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