敷居の撤去工事とは?手順・費用の目安とバリアフリーレールで段差をなくす方法

「部屋の入口の敷居につまずく」「車いすが敷居で引っかかる」——バリアフリー化の相談で、手すりの次に多いのが敷居の段差です。

結論から言うと、敷居は撤去できます。ただし敷居は建具(扉)のレールを兼ねているため、単に外すだけでは終わりません。撤去後に何を入れるか、ドア枠をどう補修するかまで含めて計画する必要があります。

この記事では、実際にトイレ入口の敷居を撤去し、アルミ製バリアフリーレールへ入れ替えた工事を写真つきで解説します。あわせて費用の目安と、介護保険の住宅改修が使えるかどうかも整理しました。

この記事でわかること

  • 敷居撤去の具体的な手順(切断・取り外し・補修)
  • 撤去後にどう仕上げるか(バリアフリーレール/床材)
  • 費用の目安
  • 介護保険の住宅改修(段差解消)が使えるか
  • 敷居を撤去できないケース

そもそも敷居は撤去していいのか

多くの場合は撤去できます。ただし、次の点は事前に確認が必要です。

  • 敷居が構造材を兼ねていないか:古い在来工法の住宅では、敷居が土台や柱と一体になっていることがあります
  • 扉のレールとしての機能:引き戸の場合、敷居に溝が切ってあり、そこを戸車や戸底が走っています。撤去するなら代わりのレールが必要です
  • 床の高さの違い:敷居を挟んで部屋と廊下の床の高さが違う場合、撤去しただけではフラットになりません

とくに3つ目は見落とされがちです。「敷居を取ればフラットになる」と思って着工したら、部屋側の床が20mm高かった——というのは実際にある話です。着工前に必ず高低差を実測してください。

実際の撤去手順(写真つき)

 家の敷居は撤去することができます。しかし気を付けなければいけないのことは敷居の取り付け方は家によってさまざまなので床の上に乗せてあるだけのものもあれば、敷居を撤去したら空洞になっているものもあります。

敷居撤去後の下地については工事の際は余裕を持っておくといいと思います。

今回はこのような敷居を撤去することとします。トイレ入り口の敷居です。


まずはマルノコで真ん中を切断し、バールなどの道具で敷居を外します。


釘やビスなどで固定されていることが多いです。敷居の外し工事はその他の床などを傷つけないように気をつけましょう。


撤去後です。敷居がなくなったため床材がむき出しになりました。また扉の下も隙間があいたり、ドア枠も補修が必要です。

新しい敷居にはアルミでできているバリアフリーレールを使いました。


新しいアルミの敷居(バリアフリーレール)を取付。数ミリの段差のみでほぼほぼフラットになりました。


最後にドア枠側の補修や扉の補修を行い、敷居がなくなったことによってできた隙間を補修していき工事は完了です。




敷居撤去工事の費用の目安

内容費用の目安
敷居の撤去(1か所)15,000〜30,000円
アルミ製バリアフリーレールの設置10,000〜25,000円
床材の部分補修10,000〜30,000円
ドア枠・扉の調整・補修10,000〜30,000円
合計(1か所)おおむね4〜10万円

床の高低差が大きく、部屋側にスロープや床のかさ上げが必要になると、ここからさらに加算されます。逆に、複数か所をまとめて依頼すれば1か所あたりの単価は下がります。

介護保険の住宅改修は使えるのか

使えます。敷居の撤去は介護保険の住宅改修の「段差の解消」に該当する代表的な工事です。要支援・要介護の認定があれば、支給限度基準額20万円の枠内で1〜3割の自己負担で施工できます。

注意点は次のとおりです。

  • 着工前の申請が必須(工事後の申請では支給されません)
  • ケアマネジャーによる「住宅改修が必要な理由書」が必要
  • 床材の変更(滑り防止)や扉の取替えも同じ20万円の枠内で対象になる
  • 持ち家でない場合は、所有者の承諾書が必要

「手すりも付けたい」「トイレのドアも替えたい」という場合、同じ20万円の枠を使うことになります。優先順位を決めてから申請してください。枠の使い方は介護保険の住宅改修20万円は「何回まで」使える?で解説しています。

よくある質問

Q. 敷居を撤去すると、扉は使えなくなりますか?

引き戸の場合、敷居の溝がレールを兼ねているので、そのままでは使えません。今回の事例のようにアルミ製のバリアフリーレール(数ミリの薄いもの)を新設するか、上吊り式の引き戸に変更する方法があります。上吊り式にすると床には完全にフラットになりますが、鴨居側の補強が必要で費用は上がります。

Q. 完全にフラットにできますか?

バリアフリーレールを使う場合、数ミリの段差は残ります。歩行では問題にならないレベルですが、車いすを自走する方の場合は上吊り式を検討したほうがいいこともあります。ご本人の移動手段に合わせて選んでください。

Q. DIYでできますか?

おすすめしません。マルノコで敷居を切断する作業は、周囲の床材や柱を傷つけるリスクがあります。また、撤去後の補修(床材の継ぎ目、ドア枠の切り欠き)は仕上がりの差が大きく出る部分です。

Q. マンションでもできますか?

専有部分の敷居であれば可能です。ただし管理規約で床工事に制限(遮音等級の指定など)がある場合が多いので、着工前に管理組合へ確認してください。

まとめ

  • 敷居は撤去できるが、扉のレール機能と床の高低差の確認が先
  • 撤去はマルノコで中央を切断し、バールで外すのが基本手順
  • 撤去後はアルミ製バリアフリーレールで数ミリ段差までフラット化できる
  • ドア枠・扉の補修までがワンセット
  • 費用は1か所あたりおおむね4〜10万円
  • 介護保険の住宅改修「段差の解消」の対象。着工前申請が必須

バリアフリー工事は複数社で見積もりを

敷居撤去は、大工工事・床工事・建具調整が絡む複合工事です。業者によって「どこまで補修に含めるか」の考え方が違うため、見積額に差が出やすい工事でもあります。

一括見積もりサイトを使えば、入力1回で複数社から見積もりが届きます。介護保険の申請代行に対応している業者かどうかも、あわせて確認しておくと手続きがスムーズです。


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