トイレを新しくしたい。ネットを見ると本体が5万円台から出ている——ところが実際に見積もりを取ると15万円、20万円になる。この差は何なのか。
答えは「今の配管・給水・電源が、新しいトイレに対応しているか」です。ここが合わないと、追加工事が発生します。逆に言えば、事前に自分で確認しておけば、見積もりの金額が妥当かどうか判断できます。
この記事では、トイレ交換前に必ず確認する3か所(給水位置・排水位置・コンセント)と、排水芯の調べ方を写真つきで解説します。
この記事でわかること
- トイレ交換前に確認する3か所
- 排水芯とは何か、どこで調べるか(最重要)
- 「リトイレ(リフォーム用トイレ)」が対応できる範囲
- 費用の目安と、追加工事が発生するパターン
- 介護保険が使えるケース
トイレ交換前に確認する3か所
古くなったトイレは取替が可能です。
ただ、取替には今の配管や給水、電気のコンセント位置などをあらかじめ下見し、新しいトイレに対応しているか確認しなければいけません。
排水芯とは(ここが最重要)
排水芯とは、壁または床から便器の排水管中心までの距離のことです。ここが合わないと、そのままでは新しい便器が付きません。
床排水の場合
後ろの壁から排水管の中心までの距離を測ります。現在の主流は200mmですが、古い住宅では305mm、床下の状況によってはそれ以外の寸法もあります。
壁排水の場合
床から排水管の中心までの高さを測ります。一般的には120mm(低壁排水)または155mm(高壁排水)です。マンションに多い方式です。
調べ方
いちばん確実なのは現在の便器の品番から調べる方法です。品番は、便器の側面や、タンクの内側・便器と床の境目あたりに貼られたシールに記載されています。この品番をメーカーサイトで検索すれば、排水芯が分かります。
品番が読めない場合は実測します。ただし実測は誤差が出やすいので、最終的には業者の下見で確認してもらってください。
「リトイレ(リフォーム用トイレ)」なら幅広く対応できる
各メーカーがリフォーム専用モデル(リトイレ)を用意しています。これは排水位置を可変できるアジャスターを備えており、古い住宅のさまざまな排水芯に対応できます。
| 新築用(標準) | リフォーム用(リトイレ) | |
|---|---|---|
| 対応する排水芯 | 200mmなど決まった寸法 | アジャスターで可変 |
| 床工事 | 合わなければ必要 | 多くの場合不要 |
| 本体価格 | 安い | やや高い |
| 設置後の見た目 | すっきり | 便器がやや後ろに下がることがある |
リトイレを使えば、床を壊さずに交換できるケースが大半です。本体価格は少し上がりますが、床の解体・配管移設が不要になるぶん、総額では安くなることがほとんどです。
ただし「とても変わった配管位置」の物件も現場では出てきます。その場合はアジャスターでも吸収できず、床を開けて配管を移設することになります。
費用の目安
| 内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| 便器本体(温水洗浄便座一体型) | 7〜25万円 |
| 撤去・処分費 | 0.5〜1.5万円 |
| 交換工事費 | 3〜6万円 |
| 基本の合計 | おおむね12〜30万円 |
追加工事が発生するパターン
| 状況 | 追加費用の目安 |
|---|---|
| コンセントがない → 新設 | 1〜3万円 |
| 給水位置が合わない → 止水栓の交換・延長 | 0.5〜2万円 |
| 排水芯が合わない → 床の解体・配管移設 | 5〜15万円 |
| 床のクッションフロア張替え | 2〜5万円 |
| 壁のクロス張替え | 2〜5万円 |
| 手洗い器の新設 | 5〜15万円 |
床と壁の張替えは、交換のタイミングでやってしまうのがおすすめです。便器を外した状態のほうが施工しやすく、あとから単独でやるより安く済みます。また古い便器の跡が残ることを防げます。
介護保険が使えるケース
単なる 古くなったトイレの交換では対象外ですが、次のケースでは介護保険の住宅改修が使える可能性があります。
- 和式便器から洋式便器への取替え(「洋式便器等への便器の取替え」に該当)
- 便器の位置や向きを変更する工事(立ち座りの動作を改善する目的)
- あわせて行う手すりの設置、床材の変更、扉の取替え
洋式から洋式への単純な交換(古くなったから新しくする)は対象外です。ただし補高便座や手すりの設置は別途対象になります。判断が難しいので、担当のケアマネジャーに相談してください。
いずれの場合も着工前の申請が必須です。
よくある質問
Q. 工事はどれくらいかかりますか?
配管の移設がなければ半日程度です。床・壁の張替えを含めても1日で終わることがほとんどです。
Q. 工事中トイレは使えますか?
使えません。半日程度なので大きな支障はありませんが、高齢のご家族がいる場合は着工時間を相談してください。
Q. ネット通販で本体を買って、工事だけ頼めますか?
受けてくれる業者もありますが、おすすめしません。品番の選定を誤ると設置できず、返品もできません。また不具合が出たときに、本体と工事の責任の所在が分かれてしまいます。
Q. タンクレストイレにしたいのですが。
見た目はすっきりしますが、水圧が足りないと設置できません。特にマンションの高層階や、古い戸建てで給水管が細い場合は要注意です。また停電時に流せない機種があります。手洗い場を別に設ける必要もあります。
Q. 集合住宅でも交換できますか?
できますが、壁排水の場合が多く、排水芯の制約が厳しくなります。また管理規約で工事の届出が必要なことがほとんどです。
まとめ
- トイレ交換の金額差は「今の配管・給水・電源が対応しているか」で決まる
- 確認するのは給水位置・排水位置・コンセントの3か所
- 排水芯(壁または床から排水管中心までの距離)が最重要。品番から調べるのが確実
- 床排水は200mmが主流、壁排水は120mm/155mmが一般的
- リトイレ(リフォーム用)ならアジャスターで幅広い排水芯に対応でき、床を壊さずに済むことが多い
- 基本の費用は12〜30万円。コンセント新設・配管移設で加算される
- 床・壁の張替えは交換と同時にやるほうが安い
- 和式→洋式なら介護保険の対象。着工前申請が必須
トイレ交換を検討中の方へ
本体価格だけを見て比較すると、あとから工事費で差がつきます。「本体+撤去+工事+追加工事の可能性」まで含めた総額で複数社を比べてください。下見に来てもらった段階で、排水芯とコンセントの有無を確認してもらうのが確実です。
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