オフセット手すりとは?たて手すりとの違いと、玄関・トイレでの使い方・選び方

「オフセット手すり」という言葉を、ケアマネジャーや工務店から聞いたことはありませんか。カタログを見ても普通のたて手すりとの違いが分かりにくく、どんな場面で選ぶべきなのか判断しづらい部材です。

オフセット手すりとは、支柱(ブラケット)から手すり本体が横方向にずれて(オフセットして)取り付けられているたて手すりのことです。この「ずれ」があることで、壁の正面からだけでなく、横や反対側からも自然に握れるようになります。

この記事では、通常のたて手すりとの違い、どこに設置すると効果が大きいのか、選ぶときに必ず確認すべき3点を、実際の設置写真とあわせて解説します。

この記事でわかること

  • オフセット手すりとは何か(形状と仕組み)
  • 通常のたて手すりとの違い
  • 玄関・トイレなど、設置して効果が大きい場所
  • 選定・設置時に確認すべき3つのポイント
  • 介護保険の住宅改修が使えるかどうか

オフセット手すりとは

 このように一般的なたて手すりでなくて横側に飛び出している形状をしているものをオフセットの手すりといいます。


通常はもちろんのこと、

反対側から持った際に手すりが持ちやすいです。

1本で扉の出る側と入る側の両方でつかまることができるのでとても便利な形状になります。
気を付けなければいけないのが、扉の開け閉めに当たってしまわないか、確認して問題ない場合に提案しましょう。






通常のたて手すりとの違い

通常のたて手すりオフセット手すり
形状支柱と手すりが同一線上手すりが横方向にずれている
握れる方向主に正面から正面・横・反対側から
扉の出入り片側ごとに1本必要になることがある1本で出る側・入る側の両方に対応できる
本数場所によって2本必要1本で済むケースが多い
注意点特になし扉の開閉時に干渉しないか要確認

いちばんの利点は「1本で2本分の働きをする」点です。手すりは1本増えるごとに部材費+工事費がかかりますから、条件が合えばコスト面でも有利になります。

設置して効果が大きい場所

① 部屋の出入口(引き戸・開き戸の脇)

最も効果が出る場所です。部屋を出るときと入るときでは、体の向きが180度変わります。通常のたて手すりだと、片方の向きでは握りにくくなりがちですが、オフセット手すりなら1本でどちらの向きにも対応できます。

② 玄関の上がりかまち

靴の脱ぎ履きと段差の昇降が重なる、住宅内で最も転倒リスクが高い場所のひとつです。上がるときと下りるときで握る向きが変わるため、オフセット形状が活きます。

③ トイレの入口

トイレは狭いうえに、入る・出る・振り返るという動作が連続します。壁面が限られていて手すりを何本も付けられないケースが多いので、1本で両方向に対応できるメリットが大きい場所です。

④ 廊下と居室の境目

方向転換をする地点は、体のバランスが崩れやすいポイントです。ここに1本入れておくと、歩行の起点・終点として機能します。

選定・設置で確認すべき3つのポイント

1. 扉と干渉しないか

これが最重要です。横に張り出している形状のため、開き戸を全開にしたときに扉が手すりに当たることがあります。提案前に必ず、扉を実際に全開まで動かして確認してください。引き戸の場合も、戸袋や引き残しの位置に注意が必要です。

2. オフセットの向き(左右)

製品によって、張り出す方向が決まっているものと、取り付け時に左右を選べるものがあります。使う方の利き手と、動作の方向から向きを決めます。ここを間違えると、せっかくのオフセット形状が活きません。

3. 下地があるか

手すりは体重がかかる部材です。石膏ボードだけの壁に直付けすると、いずれ抜けます。柱・間柱の位置を下地センサーで確認し、下地がない場合は壁の補強(下地板の設置)を先に行ってください。中空壁用アンカーを使う方法もありますが、体重を支える用途では下地への固定が原則です。

下地と部材強度の具体的な考え方は手すり工事で部材の強度や施工方法等について気を付ける点(マツ六)にまとめています。

介護保険の住宅改修は使えるのか

使えます。壁に固定するオフセット手すりは、介護保険の住宅改修(支給限度基準額20万円)の「手すりの取付け」に該当します。要支援・要介護の認定があれば、20万円の枠内で1〜3割負担です。

注意点は次の3つ。

  • 必ず着工前に申請する(事後申請は支給対象外)
  • ケアマネジャーによる「住宅改修が必要な理由書」が必要
  • 床に置くだけの据置き型は住宅改修ではなく福祉用具貸与の扱いになる

枠の使い方については介護保険の住宅改修20万円は「何回まで」使える?で詳しく解説しています。

よくある質問

Q. オフセット手すりの費用はどれくらいですか?

本体が5,000〜15,000円前後、取付工事費が10,000〜25,000円程度で、1本あたり2〜4万円が目安です。下地補強が必要な場合は1〜3万円ほど加算されます。介護保険を使えば、この1〜3割の負担で済みます。

Q. どのメーカーが扱っていますか?

マツ六、シロクマ、TOTO、パナソニックなど主要メーカーが同種の形状を扱っています。呼び方はメーカーによって「オフセットタイプ」「L型」「offset」など異なるので、カタログでは形状の図で判断してください。

Q. 自分で取り付けられますか?

下地の位置を正確に判断できて、電動ドライバーの扱いに慣れているならDIYも可能です。ただし体重を支える用途なら業者に依頼してください。固定が不十分な手すりは、いざという時に外れて大きな事故につながります。

Q. 賃貸でも設置できますか?

壁に穴をあけるため、大家さん・管理会社の許可が必要です。許可が下りない場合は、工事不要の据置き型手すり(介護保険の福祉用具貸与対象)を検討してください。

まとめ

  • オフセット手すりは、手すり本体が横方向にずれた形状のたて手すり
  • 1本で扉の出る側・入る側の両方に対応できるのが最大の利点
  • 効果が大きいのは、出入口・玄関・トイレ・方向転換する場所
  • 設置前に「扉と干渉しないか」「オフセットの向き」「下地の有無」を必ず確認
  • 介護保険の住宅改修(20万円枠)の対象。着工前申請が必須

手すり工事を検討中の方へ

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