在来浴室(タイル張りのお風呂)をユニットバスに替える見積もりを取ると、たいてい注記が付いています。「解体後、土台の状況によっては別途補修費が必要になります」。
この一文が不安のもとになります。いくら増えるのか、そもそも増えるのか、契約前には誰にも分からないからです。この記事では、解体の流れを見ながら、なぜ在来浴室で追加費用が出やすいのかと、契約前に確認しておくべきことを整理します。
なぜ在来浴室は土台が傷みやすいのか
ユニットバスは、防水パンが一体になった「箱」を部屋の中に置く構造です。水は箱の中で完結します。
対して在来浴室は、コンクリートやモルタルの上にタイルを張り、目地で水を止めています。目地は経年でひび割れます。ひびから入った水は、床下の土や、その周りの木部にゆっくり回ります。表面のタイルがきれいでも、裏側で進んでいることがあります。
そして在来浴室は湿気がこもりやすく、木材が湿った状態が続きます。シロアリにとって好条件の場所でもあります。だから解体してみないと分からない、という事情が生まれます。
解体は上から下へ進みます
在来のお風呂をユニットバスにリフォームする場合は、今ある浴室をいったん全部解体します。
まず解体の前に今取り付けられている器具等を外します。
最初は天井から解体していきましょう。
天井を向いての作業はかなり体にこたえます。解体した破片でけがをしないように注意します。
次に壁を解体していきます。
解体して見つかりやすいもの
床を解体し、土を出した段階で状況が見えます。多いのは次の4つです。
- 土台・柱脚の腐り … 浴室に面した壁の下部。手で押すと沈む、ドライバーが刺さるようなら交換や部分補修が必要です
- シロアリの被害 … 蟻道(土でできた細い通り道)があれば駆除と補修を併せて行います
- 基礎のひび・沈下 … ユニットバスは水平に据える必要があるため、土間の打ち直しが要ることがあります
- 配管の劣化 … 給水・給湯・排水管が古い場合、この機会に更新したほうが結果的に安く済みます
逆に言うと、解体は「悪いところが見つかる作業」ではなく「見えなかったところを直せる唯一の機会」です。壁の中と床下が全部見えるのはこのタイミングだけで、ユニットバスを組んでしまえば、また何十年も見えなくなります。ここで見つかった腐りを直しておくのは、追加費用というより先送りしていた修繕の前倒しです。
入口も解体するケース
浴室の入口(開口部)の寸法が既製のユニットバスに合わない場合は、入口も壊します。ユニットバスが組み上がってから、新しく壁を作り直します。
この判断も、既存の壁を開けてみないと確定しないことがあります。見積もりの段階で「入口の造作は含まれているか」を確認しておいてください。
契約前に確認しておく5つのこと
- 追加が出た場合、どの時点で知らせてくれるか … 解体完了時に写真付きで報告し、着手前に承諾を取る業者を選んでください
- 土台の腐りが出た場合の単価 … 「1mあたり◯円」といった目安を、契約前に出してもらえるか
- シロアリ被害が出た場合、駆除は別業者か … 手配まで含むのかどうかで、工期も費用も変わります
- 入口の造作が見積もりに含まれているか
- 配管更新が含まれているか … 含まれていない見積もりは、その分だけ安く見えます
この5つを聞いておくと、安く見える見積もりの正体が分かります。同じ工事でも、含まれる範囲が違えば金額は当然違います。
工事中はお風呂に入れません
在来浴室からユニットバスへの交換は、解体から仕上げまでおおむね1週間前後かかります。その間は自宅で入浴できません。近隣の入浴施設を使う、ご家族の家で入る、デイサービスの入浴を利用するなど、着工前に段取りを決めておいてください。介護が必要な方がいるご家庭では、ここがいちばん大きな問題になります。
介護保険は使えるか
介護保険の住宅改修(支給限度基準額20万円、原則1割~3割負担)の対象は、手すりの取付け/段差の解消/滑りにくい床材への変更/扉の取替えなどです。ユニットバスへの交換そのものは対象になりません。
ただし、その工事に含まれる段差の解消・床材の変更・手すりの取付け・扉の取替えの部分について、内訳を分けて申請すれば対象になり得ます。取り扱いは市町村で差があるため、必ず着工前にケアマネジャーを通じて確認してください。工事後の申請は認められません。
また、20万円の枠は浴室以外にも使うものです。玄関やトイレにも手すりを付ける予定があるなら、枠の配分を先に考えておくほうが得になります。
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浴室の解体を伴う工事は、見積もりに含まれる範囲が業者ごとに大きく違います。金額だけでなく「どこまで含むか」を並べて比べてから決めてください。
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まとめ
- 在来浴室は目地から水が回るため、解体するまで土台の状態が分からない
- 見つかりやすいのは、土台の腐り・シロアリ・基礎のひび・配管の劣化
- 解体は、床下と壁の中を直せる唯一の機会。追加費用というより修繕の前倒し
- 契約前に「追加が出たときの報告の仕方」と「腐りが出たときの単価」を確認する
- ユニットバス交換自体は介護保険の対象外。段差解消・床材変更・手すり・扉の部分は内訳を分ければ対象になり得る(着工前申請が必須)








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