「うちのトイレ、他所で見るものと形が違う気がする」「メーカーも品番も分からない」——古い住宅や、こだわって建てた住宅では、こういうことがあります。
そして業者に見てもらうと、こう言われることがあります。「これは排水芯が特殊ですね」。
この記事は、一般的なサイズに当てはまらない便器にあたったときの話です。結論から言うと、特殊な便器でも、多くは配管を動かさずに交換できます。
排水芯とは何か(おさらい)
排水芯とは、便器の後ろの壁から、床の排水口の中心までの距離のことです。現在の標準は200mmですが、昔のトイレは300mmだったり540mmだったりとバラバラでした。
では、トイレ交換のリフォームでは排水管を移設しなければならず、大掛かりになるのでしょうか。
いえ、リトイレ(可変式)タイプを使えば、
今ある洋式便器から新しい洋式便器へ、配管を動かさずに交換できます。
今回珍しいトイレの交換依頼を受けました。
名前は「カスカディーナ」。
「じゃあ配管の移設が必要では?」——いいえ
排水芯が今の標準(200mm)と違うと、配管そのものを動かす大掛かりな工事になると思われがちです。床を壊し、配管をずらし、床を直す。当然、金額も工期も跳ね上がります。
ですが、リトイレ(可変式)タイプの便器を使えば、今ある洋式便器から新しい洋式便器へ、配管を動かさずに交換できます。可変式ソケットという部材で、便器側とのズレを吸収する仕組みです。
これによって、300mmでも540mmでも550mmでも、多くの場合は床を壊さずに済みます。
それでも例外はあります:カスカディーナの場合
今回、珍しいトイレの交換依頼を受けました。名前は「カスカディーナ」。少し変わった形をしています。
このトイレの排水芯は120mmという特殊なサイズでした。標準の200mmより手前にある、つまり通常の可変式ソケット(後ろ方向へ伸ばして調整するもの)では対応できない位置です。
この場合は排水芯120mm用の可変ソケットを用意します。専用の部材があるので、これも配管の移設なしで交換できます。
大事なのは、「特殊だから工事が大掛かりになる」とは限らないということです。適合する部材を知っている業者であれば、通常の交換工事として納まります。
「配管の移設が必要です」と言われたら
もしそう言われたら、その場で決めずに次の2点を確認してください。
- 「可変式(リトイレ)タイプで対応できませんか」と聞く … 知らずに標準品で見積もっているケースがあります
- 別の業者にも見てもらう … 床の解体を含むかどうかで、金額は大きく変わります
本当に移設が必要なケース(排水が壁排水である、床下の状況が特殊である、など)もありますが、1社の判断だけで床を壊す工事を決めるのは早すぎます。
事前に自分で調べておけること
業者に連絡する前に分かっていると、話が速く進みます。
- 便器の後ろの壁から、便器の排水の中心までのおおよその距離(これが排水芯)
- タンクの内側や便器の側面にある品番 … メーカーと型式が分かれば、寸法はカタログで確認できます
- 床が木か、タイルか … 固定方法が変わります
- トイレの入口の幅 … 便器を搬入できるか
ただし、正確な採寸は業者に任せてください。数ミリの違いで納まらないことがあります。あくまで見当を付けるための下調べです。
交換のついでに考えたいこと
便器を替えるときは、床も壁も一度きれいにできるタイミングです。高齢の方が使うなら、あわせて次を検討してください。
- 便器の座面の高さ … 高いほうが立ち座りは楽になります
- 手すりの取付け … 便器の横に縦手すり、または壁付けのL型
- 床材を滑りにくいものに変える
- 入口の段差の解消・引き戸への変更
介護保険の住宅改修との関係
洋式から洋式への便器交換は、介護保険の住宅改修の対象外です。住宅改修の項目は「洋式便器等への便器の取替え」——和式から洋式への変更を指します。
一方、上に挙げた手すりの取付け・段差の解消・床材の変更・扉の取替えは対象です。同じトイレの工事でも対象部分と対象外部分が混ざるので、内訳を分けた見積もりを業者に依頼してください。
そして着工前にケアマネジャーを通じて市町村へ事前申請してください。工事後の申請は認められません。
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「配管の移設が必要」と言われた工事でも、他社に聞くと別の方法と金額が出てくることがあります。床を壊す工事を決める前に、複数社に見てもらってください。
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まとめ
- 現在の標準の排水芯は200mm。昔の便器は300mm、540mmなどバラバラ
- リトイレ(可変式)タイプなら、配管を移設せずに洋式から洋式へ交換できる
- カスカディーナは排水芯120mmという特殊なサイズ。専用の可変ソケットで対応できる
- 「特殊=大掛かり」とは限らない。移設が必要と言われたら、可変式で対応できないか確認し、他社にも見てもらう
- 洋式から洋式への交換は介護保険の対象外。手すり・段差・床材・扉は対象になり得る
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