キッチンのリフォームは、選ぶ項目が多すぎて途中で疲れてしまうところです。ショールームへ行くと、どれも良く見えてきます。
ですが、決めるべきことは整理すると7つです。しかもあとから変えられるものと、一度決めると当分変えられないものがはっきり分かれています。変えられないものから先に決める——これが失敗しないコツです。
とくにキッチンの型(レイアウト)と通路幅、そしてワークトップの高さは、あとから直せません。ここから順に見ていきます。
7つのポイント
キッチンを選ぶときのポイントを、順に見ていきます。【ポイント①】 キッチンの種類の選び方
選び方の切り口として「キッチンにいる時間は長いか、短いか」があります。
長い場合はそこにいる時間が居心地がいい方がうれしいです。キッチンにいても疎外感がなく、開放感があること。テレビが見られたり、家族の顔が見えるのが理想です。キッチンに立つ時間そのものが心地よくなります。
・オープンキッチンやアイランドキッチンがおすすめ
短い場合は利便性が1番、とにかく動線が短く、テキパキと料理等ができること
・クローズドキッチン、セミオープンキッチン
【ポイント②】キッチンの通路幅、広い方がいい?狭い方がいい?
オープンキッチンかクローズドキッチンかで違ってきます。オープンキッチンだと開放感がほしいので、キッチンスペースである通路幅は広い方が〇。クローズドキッチンはキッチンの背面に食器棚や冷蔵庫がくるので通路は移動のみとして使用。面積は狭くできます。
【ポイント③】ガスか電気か
掃除面・・・凹凸が少ないIHのほうが楽
安全面・・・最近のガスコンロは自動温度管理があり、火が小さくなったり吹きこぼれ時もガスが自動で止まるようになっているが、やはりIHの方が安全
調理しやすさ・・・IHは火加減の調整が見えないのと素材によって今までの器具が使えない。フライパンを振るなどの調理方法ができない。
コスト・・・ランニングコストはIHの方が安いが、最初にエコキュートを採用してオール電化にしなければいけないところ、故障したときの費用など一回にお金がかかる場合がある。
【ポイント④】キッチン天板の素材と高さ
ステンレス・・・熱に強い、傷やへこみが気になる。錆びる
人工大理石・・・一般的に言われているのが、おしゃれだが、熱に弱い、シミになりやすい、傷つきやすい。ただ、高グレードのものであれば熱い鍋をそのままおいてもOKな商品もあります。
ワークトップの高さを選べます。身体に合わない高さは作業していて疲れます。一度ショールームなどで確認するといいでしょう。
【ポイント⑤】収納
収納はキッチンの使いやすさに直結します。収納の大きさ、深さだけでなく扉の種類なども検討しましょう。
【ポイント⑥】キッチンにつける機能
食器洗い乾燥機
導入するなら、あとからではなく最初に組み込むほうが安く済みます。あとから追加するとキャビネットの加工と配管・配線工事が必要になるためです。
手荒れがつらい方、握力が落ちてきた方には、鍋やフライパンを持ち上げて洗う作業が減るという意味でも効果があります。
そのほか検討したい機能
- タッチレス水栓・レバー式水栓 … ひねる動作が不要になります。手が汚れていても操作できます
- 浄水器一体型水栓 … 別置きの浄水器を置かずに済み、天板が広く使えます
- 昇降式の吊戸棚 … 手前に降りてくる収納。背が届かなくなっても上の棚が使えます
- レンジフードの自動洗浄 … 脚立に乗っての掃除が減ります
この4つはいずれも、10年後・20年後に効いてくるタイプの機能です。今は必要なくても、キッチンは20年使う設備だということを頭に置いて選んでください。
【ポイント⑦】メーカーによる特徴
各社に得意分野があります。おおまかな傾向は次のとおりです。
- クリナップ … ステンレスに強い。キャビネットの中までステンレスのシリーズがあり、水や汚れに強い
- タカラスタンダード … ホーローが特徴。壁面や扉がホーローなので、マグネットで収納を自由に付けられる。汚れも落としやすい
- LIXIL … 価格帯とシリーズの幅が広い。収納の種類が豊富で選択肢が多い
- TOTO … 水まわりメーカーらしく、シンクや水栓まわりの工夫が細かい
- パナソニック … 家電メーカーとしての強み。天板の素材や機能面の提案が多い
ただし、各社ともグレードによって中身がかなり違います。「このメーカーだから良い」ではなく、同じ価格帯どうしで比べるのが正しい比較の仕方です。ショールームでは必ず、検討している価格帯のシリーズを見せてもらってください。
長く使うための視点:高さと動作
ポイント④で「身体に合わない高さは作業していて疲れる」と書きました。これは年齢が上がるほど効いてきます。
目安として、ワークトップの高さは「身長÷2+5cm」がよく使われます。身長160cmなら85cm前後です。ただしこれは目安で、スリッパを履くか、よく作るのが何かによっても変わります。必ずショールームで、実際に包丁を持つ姿勢をとって確かめてください。
さらに、将来を見るならこの3点です。
- 座って作業できる場所があるか … 立ち続けるのがつらくなったとき、シンク下やコンロ横に膝が入るスペースがあると、椅子に座って作業を続けられます
- 通路幅 … 歩行器や車いすを使う可能性があるなら、通路幅は広めにとってください。ポイント②では「クローズドなら狭くできる」と書きましたが、介護を想定するなら判断が逆になります
- コンロはIHのほうが安全 … 立ち消えや消し忘れのリスクが下がります。認知機能の低下が心配な場合は、この差は大きい
キッチンは家のなかでいちばん長く立っている場所です。今の使いやすさだけで決めると、10年後に後悔しやすい設備でもあります。
ガスかIHか、もう一言
ポイント③で「ランニングコストはIHのほうが安い」と書きましたが、これは電気とガスの料金プランや使い方によって変わります。近年は電気料金の変動も大きいので、断定はできません。
むしろ判断材料としては、安全性(IHが有利)、今の鍋が使えるか(IHは対応鍋が必要)、停電時に使えるか(ガスが有利)で考えるほうが現実的です。オール電化にするかどうかは、給湯設備とセットの大きな判断になります。
介護保険の住宅改修は使えるか
誤解が多い点なので書いておきます。キッチンの交換は、介護保険の住宅改修の対象外です。
住宅改修の対象は手すりの取付け/段差の解消/滑りにくい床材への変更/扉の取替え/洋式便器等への取替えの5項目です。設備の更新は含まれません。
ただし、キッチンの工事とあわせて次を行う場合、その部分は対象になり得ます。
- キッチンの床を滑りにくい床材に変更する
- キッチンと廊下の段差を解消する
- 出入口の扉を引き戸に替える
この場合も内訳を分けた見積もりが必要です。そして着工前にケアマネジャーを通じて市町村へ事前申請してください。工事後の申請は認められません。
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キッチンは同じメーカー・同じグレードでも、業者によって見積額がはっきり違う設備です。まずは複数社の見積を並べて相場を確かめてから決めてください。
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まとめ
- 決めるのは7項目。あとから変えられない「型・通路幅・高さ」から先に決める
- 型はキッチンにいる時間の長短で選ぶ。長いならオープン、短いならクローズド寄り
- ワークトップの高さの目安は身長÷2+5cm。必ずショールームで姿勢を確かめる
- 食洗機や昇降式吊戸棚は、あとから付けるより最初に組み込むほうが安い
- メーカーは得意分野が違う。同じ価格帯どうしで比べる
- 介護を想定するなら、通路幅は広め・IH・座って作業できる場所を検討する
- キッチン交換そのものは介護保険の対象外。床材変更・段差解消・扉の取替えは対象になり得る
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