「新築のときに手すりは付けなかった。今になって必要になったけれど、壁を壊す大掛かりな工事になるのでは」——後付けの手すりで、いちばん多い不安がこれです。
結論から言うと、壁を壊さずに後付けできるケースがほとんどです。そして、内装に合った色や形を選べるので「いかにも介護用」という見た目にもなりません。この記事では、後付けが可能かどうかの判断基準と、見た目の選び方を整理します。
「補強板を貼らないと付かない」は思い込みです
手すりは下地(しっかりした木材)がないと取り付けできません。そのため「壁一面に補強板(ベースプレート)を貼ってから付けるしかない」と思われがちです。
ですが実際には、壁の中の柱や間柱を探して、そこにビスを効かせれば後付けでも問題なく取り付けできます。日本の住宅では柱・間柱が概ね455mmまたは910mm間隔で入っているので、その位置に金具が来るように手すりを割り付けていきます。補強板が必要になるのは、柱の位置と手すりを付けたい高さ・角度がどうしても合わない場合だけです。
後付けできるか、その場でわかるチェック
手すりは下地がないと取付できません。
その場合は補強板(ベースプレート)といった下地を壁に取り付けてから行うと思われがちですが、
壁の中の柱や間柱を探して取付することで後付けでも問題なく取付できます。
見た目も選べカラーバリエーション様々です。
下地の有無は、業者が下地センサーや細い針で確認します。ご家族が事前に見当をつけたいときは、次のあたりを見てください。
- 壁を軽く叩いたときの音 … 詰まった鈍い音がする場所には柱・間柱が入っていることが多い。軽く響く場所は空洞です
- コンセントやスイッチの脇 … 多くの場合、片側に柱か間柱が接しています
- 壁の入隅(角)から455mm・910mm … その周期で入っていることが多い
ただし、これはあくまで目安です。ご自身で穴をあけて確かめるのはやめてください。外れた穴は補修が必要になりますし、電気配線や給水管を傷つける危険があります。
見た目は内装に合わせて選べます
後付けの手すりというと病院や施設のような白い金属パイプを思い浮かべる方が多いのですが、住宅用は色も形も幅があります。
- 木製・木目調 … 建具や床の色に合わせられる。手に馴染み、冬でも冷たくない
- 樹脂被覆タイプ … 芯は金属、表面が樹脂。強度を保ちつつ握り心地がよい
- ブラケット(金具)の色 … シルバー、ブロンズ、白、黒などから選べる
リフォームで内装を変えたあとに手すりを足す場合でも、その内装に合った手すりを選べます。「手すりを付けると部屋が介護施設っぽくなる」という理由で先延ばしにしている方は、ここは心配しなくて大丈夫です。
太さは35mmか32mmかで迷わないでください
住宅用の手すり棒は直径32mmと35mmが主流です。握力が弱い方・手が小さい方には32mmのほうが握り込みやすく、力が入りやすいと言われます。
ただし32mmは、金具の取付間隔(ブラケットピッチ)を700mm以内にする必要があります。柱の間隔が910mmある壁では、そのままでは条件を満たせません。「細いほうが握りやすいから」だけで選ぶと、施工側で下地の追加が必要になります。ご本人の握りやすさと壁の条件、両方を見て決める話だと覚えておいてください。
費用と介護保険
介護保険の要支援・要介護認定を受けている方であれば、住宅改修費(支給限度基準額20万円、原則1割~3割負担)で手すりの取付けができます。1本だけの工事でも対象です。
大事なのは着工前にケアマネジャーを通じて市町村へ事前申請すること。工事を済ませてから申請しても対象になりません。ここでつまずく方が本当に多いので、業者に連絡する前にまずケアマネジャーへご相談ください。
また、手すりを付けたいのが1か所だけとは限りません。玄関・廊下・階段・トイレとまとめて検討する場合は、工事全体の金額差が大きくなります。
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手すりの後付けを含むバリアフリー工事は、業者によって見積額に差が出やすい工事です。1社だけで決めず、複数社を比べてから判断することをおすすめします。
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まとめ
- 手すりの後付けは、壁の中の柱・間柱を探して留めれば大掛かりな工事にならない
- 補強板が必要になるのは、柱の位置と付けたい高さ・角度が合わないときだけ
- 下地探しは業者に任せる。自分で穴をあけて確かめない
- 色・形は内装に合わせて選べる。介護用の見た目になるとは限らない
- 介護保険を使うなら、着工前にケアマネジャー経由で事前申請
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