ユニットバスにしないという選択 在来浴室のまま直すと30〜40万円安く済みます

お風呂が寒い。床が滑る。浴槽が深くてまたげない。——直したいのは分かっているけれど、業者に相談すると「ユニットバスに替えましょう」という提案ばかりで、金額を見て話が止まってしまう。そういうご相談をよくいただきます。

ですが、在来浴室(タイル張りのお風呂)は、在来のまま直すこともできます。今回の工事では、浴槽・床・壁をほぼ全面的に直して、ユニットバス工事より30万~40万円ほど安く収まりました。

この記事では、その工事の中身と、ユニットバスにするべきか・在来のまま直すべきかの判断材料を整理します。

今回の工事:浴槽・床・壁を直しました

もともとこのような浴室をリフォームしていきます。

古い浴槽を撤去し、床も解体しました。



古い狭い浴槽から、向きを変えたことで1200mmサイズの浴槽を入れることができました。

床にコンクリートを打ち、床を作っていきます。




コンクリートの上に専用の床材を張ります。

コンクリートを打設して乾いた後に「あんからプラス」という床材シートを張りました。

壁も張り替えていきます。
「アルパレージ」という発泡樹脂製の浴室用パネルを張っていきます。


浴槽交換、床施工、壁張り終了しました。




今回は浴室のほぼ全体をリフォームしましたが、ユニットバス工事よりも30万円から40万円ほど安く収まりました。




使った部材

床:コンクリート+「あんからプラス」

床を解体したあと、コンクリートを打設します。乾いてから、その上に「あんからプラス」という床材シートを張りました。

在来浴室の床がタイルのままだと、次の問題が残ります。

  • 冬に足を乗せた瞬間が冷たい … ヒートショックの一因です
  • ぬれると滑る … とくに石けんが残っていると危険です
  • 目地が汚れやすく、掃除がつらい

床材シートに替えると、この3つが同時に改善します。浴室の安全対策として、費用対効果がいちばん高い工事のひとつです。

壁:「アルパレージ」という浴室用パネル

壁には「アルパレージ」という発泡樹脂製の浴室用パネルを張りました。既存のタイルの上から施工できるため、壁を解体せずに済みます。

タイル壁の問題は目地から水が入ることと、冷たいことです。樹脂製のパネルは目地がなく、触れたときの冷たさもタイルよりやわらぎます。

浴槽:向きを変えて、大きいものが入りました

古い狭い浴槽から、向きを変えたことで1200mmサイズの浴槽を入れることができました。在来浴室は寸法の自由が利くので、こういう調整ができます。

在来のまま直す、いちばんのメリット

金額以外にも、在来を選ぶ理由があります。

  1. 寸法の自由が利く … ユニットバスは既製サイズなので、変形した浴室や狭い浴室には入らないことがあります。在来なら現場に合わせて作れます
  2. 浴槽の深さ(またぎ高さ)を選べる … 昔の在来浴槽は深いものが多く、またぐのが大変です。浅い浴槽に替えるだけで、入浴の負担は大きく変わります
  3. 部分的に直せる … 「今回は床と壁だけ」「来年は浴槽」と分けられます。ユニットバスは全部まとめてになります
  4. 工期が短い場合がある

とくに2番のまたぎ高さは、介護の現場では重要です。手すりを付けるより先に、そもそも浴槽の高さを見直したほうが効くことがあります。

ユニットバスのほうがよい場合

公平に、逆のケースも書いておきます。

  • 土台や柱がすでに腐っている … 在来のまま直しても、水が回る構造は変わりません。解体して直すべき状態なら、ユニットバスにしたほうが結果的に安心です
  • 断熱・保温を重視したい … 保温浴槽や断熱材が入ったユニットバスのほうが、湯温の保ちは有利です
  • 掃除の手間を極力減らしたい … 継ぎ目が少なく、排水口の構造も工夫されています
  • 長期的に手をかけたくない

判断の分かれ目は「今の浴室の下地が健全かどうか」です。ここは解体してみないと分からない部分があるので、床下や壁の状態を見てもらったうえで決めてください。

介護保険の住宅改修との関係

浴室の工事は、対象と対象外がはっきり分かれます。

対象になるもの

  • 滑りにくい床材への変更 … 今回の「あんからプラス」のような床材シートは、まさにこの項目です
  • 手すりの取付け
  • 洗い場と脱衣所の段差の解消
  • 扉の引き戸への取替え・ドアノブの変更

対象にならないもの

  • 浴槽の交換そのもの
  • 壁パネルの張り替え(美観・断熱目的とみなされます)
  • ユニットバスへの交換

つまり今回のような工事では、床材の変更部分だけが保険対象になります。業者には内訳を分けた見積もりを依頼してください。ひとまとめの金額では申請できません。

そして着工前にケアマネジャーを通じて市町村へ事前申請してください。工事後の申請は認められません。

なお、支給限度基準額は20万円(原則1割~3割負担)で、住まい全体で使う枠です。浴室の床で使い切ると、玄関やトイレの手すりに回せなくなります。どこに配分するかを先に決めてください。

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「ユニットバスに替えるしかない」と言われた浴室でも、他社に聞くと在来のまま直す提案が出てくることがあります。金額差が大きい工事なので、複数社に見てもらってから決めてください。
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まとめ

  • 在来浴室は、在来のまま浴槽・床・壁を直せる。今回はユニットバス工事より30万~40万円安く収まった
  • 床はコンクリートを打って「あんからプラス」の床材シート。冷たさ・滑り・掃除が同時に改善する
  • 壁は「アルパレージ」の樹脂パネルを既存タイルの上から施工。解体不要
  • 在来の利点は、寸法の自由・浴槽のまたぎ高さを選べる・部分的に直せること
  • 土台が腐っている場合や、断熱を重視する場合はユニットバスが有利
  • 介護保険は床材の変更・手すり・段差解消・扉が対象。浴槽交換と壁パネルは対象外

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